08.28.2026 | カテゴリー, Tax
IRSによるパートナーシップへの税務調査は、ここ数年にわたり件数が減少しており、調査率は0.05%から0.1%の間にとどまっています。2025年度の調査件数は3,174件であり、2026年度はさらに2,932件まで減少する見通しです。
ただし、件数の減少をもって調査リスクが低下したとは言い切れません。IRSの大企業・国際部門(Large Business and International Division)は、コンプライアンス上の問題が確認されている特定のリスク領域に絞ったキャンペーン型調査を強化しており、調査の焦点はより明確になっています。
現在IRSが着目している論点の一つが、パートナーによる損失の過大控除です。パートナーシップからのフロースルー損失は、パートナーのadjusted basis(調整後基準額)の範囲内でのみ申告書上で控除できます。基準額を超える損失はその年度に控除できず、将来基準額が生じた時点まで繰り越す必要がありますが、この処理が適切に行われていないケースが調査で指摘されています。
また、パートナーシップから現金以外の資産の分配を受けた場合には、Form 7217をForm 1040に添付して申告する義務があります。この申告要件は実務上見落とされやすく、IRSも調査項目として明示しています。さらに、スポーツチームを保有するパートナーシップがForm 1065上で多額の損失を計上しているケースも、重点的に確認される対象となっています。
調査件数自体は多くないものの、IRSが特定の論点を狙い撃ちにした調査手法を採っている点は注目に値します。パートナーシップを有するクライアントについては、基準額の管理状況やForm 7217の提出漏れがないかを改めて確認し、万一の調査に備えた文書整備を進めておくことが望ましいと考えます。