米国で就労を予定される方へ

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米国で就労を予定される方へ

米国での就労にはソーシャルセキュリティー番号は不可欠です。では、どのようにしてソーシャルセキュリティー番号を取得すればいいのか?ITINとは何なのか?どのような費用が税務上控除できるのか?また、日米社会保障協定の適用期間が過ぎた場合はどうすればいい?などわかりやすくQ&A形式にて説明します。

米国生活を始める上においてはソーシャルセキュリティ番号(Social Security Number, 略してSSN)の取得が必要となります。銀行口座開設、クレジットカード申請、ドライバーズライセンス取得、給与そして個人所得税申告に欠かすことができません。

米国では戸籍制度はありませんので、個人を識別するためのIDとしてSSNは重要な役割を果たしています。SSNは一生涯一回のみ発行されます。

米国市民以外の外国人が米国でSSNを取得するためには、有効なパスポート、ビザ、出入国滞在記録カード(I-94)またはグリーンカードを所持している必要があります。(FやMビザの学生の場合はI-20と雇用証明、Jビザの場合はDS-2019が必要となります。)

取得は最寄のSocial Security Administration Office(社会保険局)にて、滞在ビザ、労働許可カード及びパスポートを本人が持参し、申請用紙(Form SS-5)に必要事項を記入・提出することにより行います。申請用紙はウェブサイト
http://www.ssa.gov/online/ss-5.pdf

からダウンロードするか、電話(1-800-772-1213)でも請求できます。申請後、通常は2 〜3週間でSSNがプリントされたカードで、本人宛に郵送されてきます。

結婚等で姓名が変わったり、永住権取得で滞在身分が変わった場合等、その旨を直ちに最寄の社会保険局に届け出る必要があります。又、カードを紛失した場合は、当局にカードの再発行を申請する事になります。

E、Lビザ保有者の配偶者でSSNの申請を行う場合は、申請用紙(Form SS-5)、有効なビザとForm I-94、在外公館作成の婚姻証明書が必要となります。関連ウェブサイトは次の通りです。
http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/c/08.html

なお、申請にあたっての手続きは事前に最寄の社会保険局で確認するようにしてください。関連ウェブサイトは次の通りです。
https://secure.ssa.gov/ICON/main.jsp

個人納税者番号(ITIN)とは、ソーシャルセキュリティ番号(SSN)の取得資格がない納税者やその家族に対して、税務申告の目的のためだけに税務当局(IRS)より発行される番号です。それに対して、SSNは一般的に米国で働く資格がある方に対して社会保険局(SSA)より発行される番号で、税務申告のほか、社会保障受給資格の決定などに使用されます。よってITINはSSNと同様に使用できる訳ではありません。近年、税務当局はITINの発行手続きをより厳しくしているようです。申請書類に不備があるとしてITINの発行を当局が拒否するケースも発生しています。必要書類、申請方法等ITINに関してより詳しい情報が必要な場合は「よくあるご質問」内の「納税者番号の取得 簡単にできます!」をご覧下さい。

米国税法上、ある一定身分の外国人(Non US Citizen)はExempt Individualとして扱われることがあります。一定の条件を満たすJ-visa保有者も、Exempt Individualとして扱われます。Exempt Individualとは、非課税(Tax Exempt)という意味ではなく、米国居住者・非居住者を決定する際の実質的滞在日数テスト(Substantial Presence Test)の適用を免れるという意味でのExemptです。Exempt Individualと判断された場合、米国滞在日数が実質183日を超えた場合(通常だと米国居住者として取り扱われる場合)でも、原則2年間は税法上米国非居住者として取り扱われることが可能となります。米国非居住者とみなされた場合、米国源泉の所得のみが課税対象となります。派遣元の日本の会社から給与が支給され、その日本の会社の費用として経理処理した場合、ある一定の条件を満たせばその給与は米国外、つまり外国源泉所得とみなされ、結果として米国源泉の収入がないという理由で、米国では非課税扱いとなります。仮に連邦税が非課税となった場合でも、税務当局(IRS)へのInformational Statement Filing(Form 8843)の提出は義務付けられています。

また、日米租税条約において、J-visa保有者が一定の条件を満たす場合は非課税になるという条文が盛り込まれています(条文19条)。ただし、これらは滞在期間、従事している職種内容、所得の内容などにより、適用の有無が異なりますので、ケース・バイ・ケースでの対応となります。また、これらのルールは連邦税のみが対象で州税には自動的に適用されません。各州によって対応が異なりますので注意が必要です。

アメリカの金融機関(この場合、外国の銀行の米国の支店も含まれます)は、口座名義人(一般的に預金者)の納税者番号(ソーシャルセキュリティー番号、または個人納税者番号)の確認、並びに利子を支払う際に源泉税徴収を行う必要があるかどうかを判断するため、Form W-8BENあるいはForm W-9の提出を銀行法に基づいて預金者に請求するのが一般的です。銀行は年末に利子収入、納税額が表示されたForm 1099-INTを発行し、同時に米国財務省にその情報を報告します。口座名義人はその情報を個人税務申告にて正しく報告する義務があります。そのため、納税者番号の照合が必要となります。

税法上米国居住者とみなされる場合はForm W-9、米国非居住者はForm W-8BENを提出します。日本に帰国後もそのまま米国の銀行口座を継続して保有する場合は、帰国前にForm W-8BENを銀行に提出することによって、日米租税条約の適用が可能になり、利子収入は非課税となります。

米国滞在ビザがJ、Q、F ビザの場合は米国滞在中でも税法上、非居住者として扱われますのでForm W-8BENの提出が必要となります。

2017年度の税制改正により、これまで非課税扱いであった米国赴任・帰任および米国内の異動による旅費交通費、引越荷物運搬費用、トランクルーム費用といった適格引越費用(Qualified Moving Expenses)は給与課税の対象となる手当となりました。

なお、引越支度金や手当、宿泊費、引越中の食費、住居斡旋料等の費用も引き続き課税扱いとなります。

帰任の場合、最終的に帰任者に対して米国居住期間中に支払われた引越費用は、米国源泉所得とみなされ課税対象となるという考え方です。

米国では一部の福利厚生(フリンジベネフィット)を除いて従業員に支払った、現物支給した、あるいは個人が支払うべきものを会社が負担した場合に給与として取り扱う必要があります。現物支給の場合は時価である購入価格が個人の課税対象所得となります。また会社が負担したスポーツジムのメンバー費用も給与とみなされ、課税対象になります。

日米社会保障協定での適用証明書の有効期間は5年ですが、その後3年間延長が可能です。必然的な延長理由が日本の担当機関によって承認されれば、延長は比較的問題なく認められます。さらなる1年間の延長(4年の延長)の場合は、米国での延長理由が予見不可能であることに加え、就労期間の延長が企業・被用者またはその家族の重大な困難を避けるために必要な場合のみと定義づけられています。 延長申請が認められない場合は、日本の社会保障制度を脱退して、米国の社会保障制度に加入することになります。

2013年1月1日以降、給与所得に対して課せられることになったメディケア税の追加税です。夫婦合算申告の場合は、所得が$250,000を超えた場合、夫婦個別申告の場合は$125,000、独身の場合は$200,000を超えた場合、0.9%の税率で追加課税されます。雇用主は、給与が$200,000を超えた時点で、メディケア追加税を源泉をすることが義務付けられています。なお、メディケア税は、従業員と雇用主の両方に課されますが、メディケア追加税は従業員のみに課される税金です。

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