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米国個人所得税確定申告シリーズ(7)贈与税

04.13.2023 | カテゴリー, Tax

シリーズ最後は、米国居住者の外国相続/贈与の報告と米国贈与税(Gift Tax)について触れたいと思います。

米国居住者が、米国非居住の外国人から年間総額10万ドル以上の金銭、財産を相続、または贈与により受け取った場合、IRS(内国歳入庁)へForm 3520 (Annual Return to Report Transactions With Foreign Trusts and Report of Certain Foreign Gifts) にて報告義務があります。ここでいう外国人には外国法人、外国信託も含まれます。提出期日は個人税申告書同様に4月15日 (2022年度は4月18日)ですが、延長申請した場合は10月15日(2022年度10月16日)までに提出が必要です。

個人からの受取の場合は、この様式のPart IV(下記参照)にて相続、贈与が発生した日付、受け取った内容(現金、株式、不動産など)、金額(市場価格)を報告します。

 

報告内容は課税対象ではありませんが、報告漏れや情報が不十分であったり、期日までに提出しなかった場合は最低10,000ドルのペナルティが課せられますので、ご注意ください。

なお、Form 3250は電子申告ができませんので、書面での提出となります。

 

米国贈与税について

米国では、日本とは異なり贈与者に納税義務がありますが、受取人一人に対して贈与者の年間非課税枠が決められています。2022年は一人に対して$16,000までが非課税です。夫婦で子供一人に贈与する場合は、年間$32,000まで非課税ということになります。この上限を超えた場合はForm 709にて贈与税の申告が必要です。米国非居住者の子供に現金を含む米国に所在する財産を贈与する場合も贈与税の対象となります。

年間非課税額

2022 2023
$16,000 $17,000

 
ライフタイム非課税額 (夫婦で$24,120,000)

2022 $12,060,000

 

更に米国では一生涯の贈与/相続の非課税限度額が決められています。最終的に贈与の年間非課税額を超え、贈与税、相続税のライフタイム非課税額を超えた場合に、贈与税が課せられます。税率は18%から最高は40%です。

Form 709 では、過去に報告した内容も申告しますので、累積課税分を引いたライフタイム非課税額の残高が分かります。

また、配偶者が米国市民の場合は贈与額の上限はありません。米国市民ではない配偶者への贈与非課税額は2022年で$164,000 (2023年$175,000)となっています。

Form 709も書面での申告となります。

 

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