03.13.2026 | カテゴリー, Tax
シリーズ第5回目では、米国へ長期出張する従業員、ならびに留学生・研修生に関する税務上の取扱いについて説明します。米国での滞在形態やビザの種類、報酬の支払方法によって、課税関係や提出すべき申告書が異なるため、事前に米国滞在日数等を正確に把握し準備を行うことが重要です。
長期出張者
米国で長期出張として業務を行う場合、給与が日本から支払われている場合であっても、その業務が米国内で行われていれば、原則として米国源泉所得となり、米国での課税対象となります。ただし、日米租税条約第14条が定める、「短期滞在者免税」の要件をすべて満たす場合には、連邦所得税は免除されます。
短期滞在者免税の3つの要件は以下のとおりです。
上記要件を満たさず、米国で課税対象となる場合には、非居住者として Form 1040NR により確定申告を行います。また、日米租税条約に基づき課税免除を主張する場合には、原則として Form 8833 の提出が求められます。
留学生、研修生
米国に滞在する留学生や研修生については、一般の外国人とは異なる特別な税務上の取扱いが設けられています。FビザやMビザを保持する学生は、実質的滞在条件テストの適用が免除され、原則として最初の5年間は非居住者として取り扱われます。また、Jビザを保持する研修生については、原則として最初の2年間、非居住者として申告することが認められています。
米国で収入がなく、生活費を日本からの仕送り、貯金のみで生活している留学生の場合は、自身が免税対象者であることを報告するため、毎年 Form 8843 を IRS(内国歳入庁)へ提出します。米国滞在期間にキャンパス内などでの就労等により米国源泉所得がある場合には、Form 8843 に加えて、非居住者用の確定申告書である Form 1040NR を提出する必要があります。
さらに、日本の企業から派遣され、研修目的で米国に滞在する場合、給与や手当が米国外の雇用主から支払われ、かつその費用を日本の企業が負担している場合には、原則として連邦所得税は非課税となります。この場合においても、留学生と同様にForm 8843 の提出が必要となります。
ただし、これらの免税措置はいずれも連邦所得税に限られます。州税については別途課税対象となる場合があるため、州ごとの取扱いを確認する必要があります。