01.16.2026 | カテゴリー, Tax
今年も確定申告の時期となりました。米国の確定申告に役立つ情報を、今年も7回にわたってお届けします。
昨年7月にトランプ大統領が税制改正法案 「One Big Beautiful Bill Act(以下、OBBBA)」 に署名し、同法は法制化されました。第一回は、このOBBBAによる項目別控除への変更点をまとめます。
OBBBAにより、2025年分以降の個人所得税申告における項目別控除(Itemized Deductions)には、いくつかの重要な変更が加えられました。
まず、州税・地方税控除(SALT控除)については、控除できる金額の上限が見直されています。これまで年間 $10,000 に制限されていた控除上限は、2025年から2029年までの期間に限り $40,000($20,000 ―夫婦個別) へ引き上げられ、あわせて毎年おおむね 1%程度のインフレ調整が行われます。ただし、所得水準が一定以上の高額所得者については段階的な制限(フェーズアウト)が適用され、すべての納税者が満額の控除を受けられるわけではありません。
次に、慈善寄付金控除(Charitable Contribution Deduction)については、項目別控除を選択する納税者に対し、新たに「AGI(調整後総所得)の0.5%」という最低基準(フロア)が設けられました。これは、AGIの0.5%を超える部分のみが控除対象となることを意味します。一方で、現金による寄付に適用される「AGIの60%まで控除可能」という上限は恒久化されました。また、項目別控除ではなく、標準控除(Standard deduction)を選択した納税者については、慈善寄付金の特別控除として、独身者や夫婦個別申告の場合には最大 $1,000、夫婦合算申告の場合には最大 $2,000 まで控除を受けることができます。
住宅ローン利息控除(Mortgage Interest Deduction)については、TCJA(2017年税制改革)で導入された 住宅取得ローン残高 $750,000 までを対象とする上限が恒久化されました。また、ホーム・エクイティ・ローンに係る利息は、引き続き控除の対象外とされています。
その他、給与関連の立替経費、投資顧問料、確定申告書の作成手数料などの「その他の項目別控除(Miscellaneous Itemized Deductions)」については、TCJAと同様に、恒久的に廃止されました。
災害損失(Casualty and Theft Losses)については、連邦政府が指定した災害(Federally declared disaster)に起因するものに限定して控除が認められます。
ギャンブル所得と損失控除につきましては、弊所の2025年11月21日付けで掲載しております記事をご参照ください。