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2018年度個人確定申告

01.23.2019 | カテゴリー, Tax

2018年度個人確定申告

 

2018年度個人確定申告の時期となりました。

2017年12月に米国税制改革法案(Tax Cuts and Jobs Act) が トランプ大統領によって署名され法制化されたことにより、2018年度個人確定申告の内容が大きく変わります。ここでは、2018年度申告に直接影響を及ぼすであろう改正項目として、個人所得税率の引下げ、人的控除の廃止、概算額控除の増額、項目別控除の制限、子女税額控除 (Child Tax Credit) 、代替ミニマム税等についてご案内いたします。なお、今回の税制改正による個人所得税関連の改正事項の多くは、2025年12月31日までの時限立法となります。

 

  • 個人所得税率の引下げ

 

個人所得税率は、昨年までは10%から39.6%の7段階の累進税率となっていましたが、今回の税制改正により、7段階累進税率は維持されたものの、税率は、10%, 12%, 22%, 24%, 32%, 35%, 37%となり、最高税率はこれまでの39.6%から37%に引き下げられました。所得税率の引下げと同時に、各納税区分(タックスブラケット)に属する所得の範囲も変更になりました。最高税率 (39.6%) で課税される所得範囲は、2017年度の単身者で418,400ドル(夫婦合算で470,700ドル)を超える額であったものが、2018年度 (37%) は500,000ドル(夫婦合算で、600,000ドル)に引き上げられました。

 

独身
(Single)
夫婦合算申告
(Married Filing Jointly)
夫婦個別申告
(Married Filing Separately)
税率 以上 以下 以上 以下 以上 以下
10% $ 9,525 $19,050 $9,525
12% $ 9,526 38,700 $19,051 77,400 $9,526 38,700
22% 38,701 82,500 77,401 165,000 38,701 82,500
24% 82,501 157,500 165,001 315,000 82,501 157,500
32% 157,501 200,000 315,001 400,000 157,501 200,000
35% 200,001 500,000 400,001 600,000 200,001 300,000
37% 500,001 600,001 300,001

 

 

  • 人的控除の廃止

 

今回の税制改正では、これまで認められていた、納税者、配偶者、被扶養者に対する人的控除が廃止されました。2017年度は一人当たり4,050ドルの人的控除が認められていましたが、2018年度からは一切取れなくなります。これらの人的控除は、2018年度、概算額控除に統合され、概算控除増額の中に組み込まれることになります。

 

  • 概算額控除の増額 / 項目別控除の制限

 

個人確定申告では、概算額控除あるいは項目別控除のいずれか大きい方を控除として選択することになります。概算額控除では申告身分に応じて一定額の控除が認められるのに対し、項目別控除は、税法上経費として認められるものの総計を控除として申請するものです。ただし、米国税法上の非居住者、もしくは部分的居住者として申告書を提出する場合には、概算額控除の選択はできません。

 

今回の税制改正では、項目別控除の項目、控除額が制限されたこと、一方概算控除額が大幅に増額されたことにより、多くの納税者が概算額控除を選択することになり、申告手続きが簡素化されることが予想されています。

 

  • 概算額控除

今回の税制改正のもと、概算控除額は前年度のほぼ2倍に増額されています。2017年度の単身者で6,350ドル 、夫婦合算で12,700ドルであったものが2018年度は、単身12,000ドル、夫婦合算で24,000ドルに増額されました。

 

 

  • 項目別控除の控除項目、控除額の制限

 

2017年 2018年
州・地方所得税

 

控除額に制限なし 州・地方所得税、米国で支払った固定資産税の合計は、$10,000まで控除可能

(夫婦個別申告の場合は、$5,000まで)

固定資産税 控除額に制限なし
米国外で支払った固定資産税 控除額に制限なし 控除不可
住宅ローン支払利息

 

借入額$1,000,000まで控除対象

 

借入額$750,000に制限される

(12/15/2017以降の住宅ローンが対象)

ホームエクイティローン支払利息 使用目的に関わらず控除可 家を購入もしくは、改築目的以外で使用される場合は、控除不可
その他の費用 下記費用等につき、調整後総所得の2%を超える額が控除可

·        仕事関連費用

·        確定申告書作成費用

·        投資関連費用

控除不可

 

その他の費用 ギャンブルロス

投資目的の支払い利子

引き続き控除可
災害・盗難費用 1件ごとに$100を減額した額が調整後総所得の10%を超えた場合控除可 大統領によって災害地域に指定された場合のみ控除可
医療費 調整後総所得の7.5%を超える額が控除可 2018年は引き続き調整後総所得の7.5%、その後は10%に引き上げられる
寄付金

 

調整後総所得の50%まで控除可 調整後総所得の60%に引き上げられる

 

なお、項目別控除額の高額所得者に対しての減額は撤廃されました。

 

  • 引っ越し費用

 

内国歳入法217条が2025年まで廃止されたことにより、これまで非課税とされていた適格引越費用(航空運賃、家財運搬費用、ストレージ代金等)は国内・国外異動ともに、会社あるいは個人の負担に拘わらず、今回の税制改正により課税対象となります。

 

  • 子女税額控除(Child Tax Credit)

 

今回の税制改正で大きく変更になったものの一つが、Child Tax Creditです。控除額は17歳未満のお子様一人当たり1,000ドル (2017年度)であったものが、一人2,000ドルに引き上げられました。また、改正前は確定税額を超えて税額控除額がある場合は、その超えた額の還付が できないとされていましたが、改正法では1,400ドル までは還付が可能となっています。

Child Tax Creditには高額所得者の所得制限があります。2017年度は夫婦合算の場合、調整後総所得110,000ドルを超える場合から減額され、なかなか満額の控除をとることはできませんでしたが、2018年度は、夫婦合算の場合、調整後総所得400,000ドルを超えるまで、控除額の減額はありません。

また、Child Tax Creditの対象となる子女はSocial Security 番号保持者のみとなり、ITIN(個人納税者番号)保持者はこの控除を受けることができません。しかし、今回の税制改革では、新たに ”Credit for Other Dependents” という控除項目が設定され、”Child Tax Credit”を取ることのできない米国居住者となるお子様については、一人につき500ドルの税額控除を認められています。米国居住者であるものの、Social Security 番号を取得できないお子様の場合は、納税者番号を保持していれば、こちらの控除を取ることができます。このCreditについても、Child Tax Credit 同様、夫婦合算の場合調整後総所得400,000ドルを超えるまで、控除額の減額はありません。

 

  • 代替ミニマム税

 

代替ミニマム税は、高額所得者が減税措置を利用して過度の節税を行うことを抑制するために設けられたもので、通常の税額と代替ミニマム税、両方の税額を計算した上で、いずれか高い方を最終税額とします。

今回の税制改正により、代替ミニマム税控除額は夫婦合算申告の場合、2017年度84,500ドルであったものが、109,400ドルに増額となります。また税額控除の高額所得者に対する減額は、2017年は夫婦合算で150,000ドルからになっていましたが、2018年度は1,000,000ドルに大きく引き上げられました。これにより、代替ミニマム税課税の対象となる人は大幅に減少することが予想されます。

 

  • 離婚手当 (Alimony)

 

昨年までは、支払い者側が控除可能な場合のみ、受取人は所得として認識することが必要となっていましたが、税制改正によって変更となりました。2019年以降に離婚した場合は、支払った方が控除を取ることができなくなった一方、受取人は手当を所得として認識する必要がなくなりました。

 

以上

 

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